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幼稚園と保育園と子ども園って何が違うの?

少し前、「日本人の3割しか知らないこと」という番組で

「保育園と幼稚園は管轄する省が違う!」と声高に言われて、ひっくり返りそうになりました。

日本人の7割は知らないの!?

保育関係にいる人間にとっては、トトロとミッキーは作者が違う!と言われたぐらいの、当り前だよ!なのです。

でも、似たような施設なのに違う省庁で縦割りなので、それゆえに現場は苦しさや矛盾もいっぱい。。。

 

まず、幼稚園は

小学校以前の子どもたちの教育(この場合いわゆる読み書きそろばんとはちょっと違う意味だけど)の場として、生まれたのが幼稚園。なので、文部科学省が管轄です。

保育園は、

働く両親や、病気の両親がいる場合など、家庭で保育できない(保育に欠ける)子どもたちを何とかしたいという思いからできたので、福祉的要素が強いため、厚生労働省になります。

 

そのため、入園や保育料の払い方も変わってきます。

(※園や自治体によって変わるかもしれません。)

 

幼稚園は

学校と同じように定額制(無償化の話も出てますが)。入園は入りたい園に直接応募。私立の園では、くじ引き、早いもの順、兄弟枠などで入れる子が決まります。

保育園は、

福祉の意味合いがあるので、認可、認証保育園の場合は所得に応じて保育料が変わります。所得が高い人ほど高く、低い人は低くなります。また、自治体受付で、希望の園をいくつか書いて、必要度の高い人から入れるようになっています。(無認可はその辺は独自で決めています。)

必要度の高い人とは片親の人とか、両親が同居していないとか、労働条件、自宅勤務状況、兄弟などあらゆる項目に点数がついていて、それを自治体の人が応募した親子一人ひとりつけていって、点数化して、点数の高かった人です。

ちなみに学童もそんな感じです。学童はその辺の制度があんまりできていなかったからなのか、私は数年前私立学童勤務でしたが、点数をつけたことがありました。勤務日数、時間、自宅からの距離もみるため、結構シビア。。。

昨今の待機児童問題で、入るために離婚する!なんて方もおるほどです。

 

 

 

 

でも、最近は幼稚園でも長時間のお預かりをする園が増えてきました。

少子化なのに保育園が足りないということは、働くお母さんが増えているということ。ということは、場所によっては幼稚園は経営の危機になるところも。

そこで、長時間やって、働くお母さんのニーズにもこたえようというのが、幼稚園のお預かりの時間です。

 

なんだか保育園に近くなってきた幼稚園。でも、一番大きな違いは0、1、2歳がいないことです。

保育園は0~5が多いのですが、幼稚園は給食施設もないため、012歳は登園できません。

 

でも、待機児童は012歳多いしなぁ……ということで、急ピッチで増えてきたのが、0~2歳のみの無認可保育室と、0~5歳までの保育園と幼稚園の融合施設である子ども園です。今は認定こども園というものがあります。

 

子ども園って何ぞやというと……

そもそもは、「やっぱ、同じ子どもたちの場所なのに、管轄違うっておかしくない?どの子もわけ隔てなく通える施設がいいんじゃない?保育にも教育は必要だよ」という考えでもう10年前から考えられてきたこと(認定がついたりと政権によって名前と中身は少しずつ変わっています。)。

きっと最初考えた方は子ども目線だったに違いない……と思いたい。

 

でも、結局根本の縦割りは変わらないし、今ある施設をまるまる新しくできないので、

「幼保連携型認定こども園」「地域型認定こども園」「幼稚園型認定こども園」「保育園型認定こども園」とあって、幼稚園型は文科省、保育園型は厚労省と、管轄が分かれることになっています。

入る子も、同じ園なのに「幼稚園みたいに通う子」「保育園みたいに長時間通う子」「幼稚園みたいに通うけどたまに長時間利用する子」「保育園みたいに通う0、1、2歳」と申込方法もお金も保育園型か幼稚園型かに分けられることに。

 

一本化のつもりがさらに複雑化してるやん!!!

と突っ込みたくなる感じなのでした……。

保育園幼稚園もなくなって、子ども園一本になる日は来るのか……まだまだ先は長そうです。

 

 

 

ちなみに……、

幼稚園は教育、保育園は保育というイメージのため、幼稚園はお勉強(厳しい)、保育園は自由遊び(緩い)と思う方も多いのですが、

実際は幼稚園だから、保育園だからというより、

園による

です。

カリキュラムきっちり!の保育園も、

遊びこそが学びだ!の幼稚園も、あります。

その話は、また今度ゆっくり。